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| BY Masakazu Takeda | |||||||||||||||||||||||||||
| 某日。TVC-15内にある「アンドロイドハンターファンクラブ事務所」。 武田はお気に入りのアールグレイで優雅なティータイムを過ごしていた。 「静かな午後だ・・・」 武田はつぶやき、ゆっくりと紅茶の放香を愉しむのだった。間もなくその静寂が破られるとも知らず。 ピンポーン。 「宅急便ですぅ〜」 「なんだろう?」 受け取った武田は差出人の名前を見て顔色が変った。 「こ、これは!」 数分後。 「ゲ・・ 元帥! 出ました! 出ましたよ!」 武田の舞い上がったような声に、奥の間(トイレか)からノッソリ現れる男…… ヤ・マ・モ・トである。 「なんじゃイ、武田君〜ん」 元帥は手も洗わず、 「トリック2のDVDでも出たんかい?」 いつものインギン無礼な口調でモノ申すのである。 「そんなモンじゃないですよ、ついに出たんですヨ」 「そらぁよかったな。食物繊維を多くとるとエエらしいぞ」 「便秘の話じゃないですよ。見てください。例の"日本の窓口の方"より、これが」 「ん? おお!」 途端、元帥の眼が輝いた。 「これは例の予告されてた第2弾のキラーアンドロイド(仮称)のフィギュアじゃんか!」 「だから、出たんだって言ってるやないですかァ、ついに出たんです・・ 最終的には名称はアンドロイド001になったんですね〜」 シミジミ感慨深く言う武田を向こうに廻し、しかし元帥は、武田の手から届いたばかりのアンロドイド001を奪い取る。 「ちゅ〜ことは002、003・・・と続くんかいや」 どっかりとソファに腰を落として、そう言う。 「それはこの001のセールスの結果にもよる、ようなことらしいですが、期待したいですねえ」 武田がそう言ってるのに、元帥はもう聞いてない。 「お、今回のボックス、ずいぶんイマ風やないけ。クールってヤツや」 |
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| 「そうですね。前回のアンドロイドハンターのシンプルなかんじとはうってかわってイマドキのアクションフィギュアふうですね」 「ほ〜〜、今回はちゃんとメーカー名も書いてあるな。なになに、"TIMEWAVE ZERO"社っていうのか」 「そうですね、前作のアンドロイドハンターにはとくにメーカー名はなかったですね。今回は〃MADE IN CHINA"っていう表記もあります」 「おっ、このヘッド…… エエの〜。雰囲気もよう出てる」 「良く似てますよね。塗装もいいかんじです。実は出荷が遅れていたのはヘッドのペイントに一部不良があったため、もう一度やり治したからなんだそうです。その甲斐あったんでしょうね。いい出来です」 「オレ、どっちか〜つぅと前作のアンドロイドハンターよか、こういうリアルタイプのヘッドが好きやな」 「そういうヒト、けっこういたみたいで、要望に答えて、こんどアンドロイドハンターもリアルヘッド版というのがリリースされるようです」 「おっ、そうなんかい!?」 「そうなんすよ」 「しかし、この革コートは凄いでぇ、見てみ〜」 と元帥がフィギュアを前方に掲げるものだから思わず手を出す武田であったけど、武田の手が触れる前、元帥はまた手を引っ込める。 チッ、と舌打ちしつつ武田は続ける。 「すごい、です。もちろん合革でしょうけど、素材感もいいですし、ここまでマニアックにデザインを再現してくれると文句のつけようがないですね。脱帽です」 |
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| 「アクセサリーは鳩か。なるほどな」 「でもちょっと・・・生物感に欠けますかね。残念」 「工場の方に製作者の思い入れが伝わらなかったんじゃネ〜のか? なんで鳩なんだよ、ってな」 「そうかもしれませんね。私としては鳩の他にも、手にくさびが刺さったダメージハンドのオプションとか、耳にケガして血を流してるダメージヘッドとか、半球状の透明レジンに入った例の目玉とかつけてほし かったですが・・・ ぜいたくですか?」 「ぜいたくや。コストというもんがあらーな。鳩がついてるだけで、それだけでもありがたいと思わな」 「そうですね。この企画が実現した事自体が非常にうれしいですね」 |
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| 「よっしゃ、コート脱がせてみたまえ」 やっと元帥はフィギュアを武田に返した・・。が、武田は知っているのだ。このオッサンが、衣装を脱がすのを、ただ、面倒がっている事を。 がぁ、そんな事は臆面にも出さず、武田は001の衣装を取っていく作業に没頭する。 「あ、ちゃんとグレーのシャツですよ」 「ズボン脱がすとどうなってんねん?」 「お、元帥、見てくださいよ。ちゃんと例の自転車競技用みたいな、ふとももまでの短パンはいてますよ」 「なるほど。その短パンだけにして鳩持たせたら、ラストシーンの再現やな」 「ダメージヘッドではないですけどね」 「タッケダ君〜ん、キミ、いちいち細かいねェ、ところでこのボディ、前作とはかなりチャウやん」 「そうですね。なんでも背が高く、肩の可動領域が広く、指がベンダブルの、これまでにない新しいものだそうです」 「ぁ、そう」 何が、あ、そう、だ・・ とは露とも口にしない武田。 「これ、かなり売れるんとちゃうか」 「私もそう思います。ちなみに日本向けは当初500ケ限定だったのが400ケに減ってるんですよ」 「いったん人気に火ィ着いたら、一気に店頭からなくなるかもしれんな」 「そうなんですよね〜、迷ってるうちに買いのがして、あとで泣く泣くプレミアつきの値段で買うはめになる・・ よくあることデス」 「ゲットするには先手必勝やな。ところで次の002はなんじゃい? 聞いてへんのか?」 「女性キャラがいいな〜」 「カワイコちゃんタイプの方にしてもワイルドな踊り子さんタイプにしても、どっちもええなあ・・・」 「秘書タイプもいますよ」 「え・・あ、 そうか・・ そういえばあの娘もアンドロイドやね。うーん、それもええの〜・・」 「でしょーでしょ〜〜」 武田は大きく合槌をうちながらもフッと思っている。 もしも、レディースのアンドロイドが出たならば・・ このオッサン、きっと絶対、自分の手で服を脱がせるだろう事を。 |
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