GET!! STAR WARS
 氷を満たしたグラスにウオッカをいれ、その上にPEPSI COLAを注ぐ。
 炭酸がシャワワワーッて音をたてる。
 氷がピキ、プキ、ペキュ、音をたてる。
 ウォッカはCOLAに薄められつつ黙し、喉を通過するのを待つ。
 おいしい。
 ここ2週間ほど、深夜になると、そんなアルコール飲料を飲んでいる。
 ウオッカが欲しくて飲んでいるワケではない。PEPSIを消費するために・・ 飲んでいる。COLA単体ではとても飲む気にならないが、アルコールの添加剤としてなら、飲めぬコトはない。(^_^;)
 一日一本を空にしても56日が必要である。
 すなわち56本のPEPSIがある(あった)という次第である。
 例のSTAR WARSのオマケ目当てに買い込んだPEPSIである。
 オマケさえ入手すればPEPSIなんかどうでもいいのだけど(^.^)、捨てるワケにもいかないし、知人に差し上げようにも、知人宅にもPEPSIが多数アルといった状況なので、仕方なく、アルコール飲料に変身させて飲んでいる。
 当初はこのキャップ・フィギュアなど集めようとは思ってもいなかったのだけど、2〜3本買うと、とまらなくなってしまった・・
 スペシャルのそれを除くと40種類があるのだけど、同じモノが出てくる確率が高く、パルパテイン皇帝ばっかりが連続して3つも出て来たりスル。
 せめて違うモノが欲しいじゃないか、とまた1本・・
 次こそはと、もう1本・・
 だんだんとドロ沼にはまり落ちていく気配を覚えつつ、買いだすともう停まらない。
 20本が30本になり、30を越えると40はすぐ手が届く。40を過ぎると50の夕日が目前だ・・
 200本近く買って、レイア姫が出て来なかった知人がいる。
 最初の一本でレイア姫をゲットした子もいる。
 何軒も一夜にしてハシゴし、100本近くを買った人もある。
 周辺にこういう連中が多いのが幸いして、たちまちに、トレード花盛りとあいなる。
 おかげで、私自身はさほどの労苦を覚えずに40種類を手にしたけれど・・(^.^)
 時として、集めるモノそのものよりも、収集の行為自体に大きな比重がかかるようなコトがある。
 PEPSIのオマケはそのニュアンスが強い。
 40体が揃った途端に急に電圧が下がってしまったようなトコロがある。
 1ケ1ケに目的がなく、さりとて揃ったからといって、大きな充実とコレクションの醍醐味があるワケでもない・・ 
 何がでるやら判らない部分が楽しくて次々に買ってしまい、結果として小さなコレクションとなる・・ という感じでもあった。
 そんな次第が反映してか、揃ったトタンに興味の色が褪せていく。
 熱狂が去り、風がやむ。
 で、こうして揃った40体(揃ってないキャップはさらに一山アル)を箱に入れてボンヤリ眺めてみると、広大な大陸が茫漠として見えてくる。
 中国。
 このオマケの生産国は中国である。
 中国の生産力とその技術力はあなどれない。
 豊富で廉価な労働力に裏打ちされた大量生産ながら、一頃の粗悪でチープというイメージは急速に薄れつつある。

 PEPSIのボトルキャップはオマケの景品だけれども、1ケ1ケを仔細に観察してみると、精度の高い大規模な機械化が進行しつつあるコトが判ってくる。
 面倒な工程が1ケ1ケに秘められている。
 原型はおそらく、この日本・・ 
 それを、金型におこす。
 下部のキャップ と上のフィギュアが別の金型でおこされる。
 成型されたフィギュアは彩色され、キャップに連結される。
 簡単に言えばそういうコトだけれども、各々のフィギュアには、金型技術の極度の卓越ではないけれども、かなりの精度でもって大量生産出来うる工業力が秘められている。
 一見、素っ気なく、誰にも感知されないコトながら、製造する力の水準が感知される。
 モノによってはキャップと一体成型かとも思える精度が、ある・・ 否、一体成型かもしれないのだ。
 試しに2〜3ケのフィギュアを突いたり引いたりしてみる。いわゆるHEADキャップは張りあわせの痕跡があるけれど、全身像のフィギュアの方は、キャップにフィギュアを貼った形跡がない。
 溶着させたか、一体での製造か・・ お手軽に見せつつも高い技術の引き締まった味が、この辺りに隠されている。
 C-3POは金のメッキという工程が加味される。
 他のフィギュアは一切が手による彩色である。
 オマケ達は、この重厚な量産と 膨大な手作業との合作である。
 量産は可なれど、彩色を1ケ1ケとなると、我が国でもどこでもとても追っつかない。
 数多の労働力を工業力にまで押しやった中国という国は・・ 
 あなどれない。
 私達は今や中国に支えられているという認識を、新たにしちゃわねばナラナイ。
 技術というのはたえず前進する・・ 
 例えば、成型品は鋳型に流し入れるからどうしても型の後が残る。これはパーティング・ラインと呼ばれる。
 このパーテング・ラインの痕跡をいかに小さくするかで、アチャラもコチャラも苦慮している・・
 今年早々、このパーテング・ラインのない製品が現われた。
 チョコレート。
 横浜のあるメーカーの品で、犬や猫の形をした楽しい演出のチョコである。主としてバレンタイン・デーに大活躍のチョコだけれど、これにはパーティング・ラインがない。
 ノビをする猫。吠えている犬。片手で何かをイジクってる猫。駆ける犬。
 そんな日常的なポーズの小動物がチョコになっている。
 パーティング・ラインはない。仔細隈なく観察してみても、ナイものはナイ。
 特許だそうである・・・
 やがてこの技術は海を渡る。
 より精度の高いオマケが登場するコトになろう。
 より精緻な製品が登場するコトになろう。
 精緻にして堅牢で美しく、しかも廉価な、そんなモノ達が今後いっそう、続々と、中国を拠点に産まれてくる。
 より大量に・・
 MADE IN CHINA が良品の代名詞となる時代は、まもなくやってくる。
 PEPSIのキャップを眺めながら、潮が満ちてくる気配を覚える。
 ゆるやかな、しかし確固とした波紋を描きつつ大陸から波が浸透し、知らず、私達は侵食される。
 そのコトが悪というのではない。悪くもなく良でもない。
 時代の推移としかいいようもない、これまた一つの大きな潮の流れめいた動向を感知しつつ、それに身を委ねて・・ さて、どうするか?
 ただ揺れちゃうか。
 沈むか。
 とりあえあずはウォッカにPEPSIを。
 酔ってヘラヘラ笑っちゃう。
 今夜のところはネ。