かわゆい耳たぶ
 電車の吊り皮(輪)は、ブラブラユラユラと動いている。
 しかし、科学の眼でもってすれば、アレは動いていない。
 正しくは、アレを見ている私を含む移動する電車そのものが揺れているワケで、吊り輪の輪の部分は実は動いてはいないのだ、ヨ。
 嘘だと思うなら、ためしに、吊り輪に10円玉を乗せてごらんなさい。
 10円は落ちるコトなく、むろん、50円や500円に変身するコトなく、輪の上でジッとしてるから・・

 で。
 私の耳だ。
 いわゆる、福耳である。
 耳たぶが豊か。
 この豊かな耳たぶは、私が頭をかしげても、タブの最下部はたえず地上にむいておる。
 先夜、女友だちと話している時に、フイに彼女がクスクス笑って、その事実を教えてくれた。
 ヘンなモンに感心してるというか、妙なコトに気づいてくれたというか、鏡に映して首を傾げてみるとナルホド彼女の云う通りだ。
 引力に逆らうコトなく、我が耳たぶの先端は、我が顔をいかように向けようとも、たえず下方へと傾向する。
 あったりまえのコトといえばその通りなのだが、事実を直視すると、なにやら可笑しい。
 私の耳の最先端でありつつも、なんだか、私のモノでないような、勝手なフルマイをやっておるなぁ、という可笑しさが、アル。
 多くの草花が太陽の方向に向けて伸びているような、作用としての摂理が、実はたえず私の身体にも兆しているのだなァ、などと、微笑みつつも感心させられたり、スル。
ソ連の切手。
こういうチョット夢のある切手は好感だ。なんとなくSFっぽくて良い。
  今からたった40年も前は、人間が宇宙に現実に出ちゃったら、はたして無重力の中で食事が出来るのかどうか・・ これすら判っていなかった。
 口から食道を通過して胃に至るまで、無事に喰ったモノが流動していくのか、よくは判っていなかった。
 理論と理屈でダイジョブというコトになっても、実体験としての実証はなかったワケだ。
 アポロ11号が月から出立する様子を遠隔操作のカメラが捉え、地球に実況したのは1969年だ。
 無重力の真空中でロケットの噴射炎がどのように振る舞うか、はじめてビジュアルとして人間は見たワケだ。
 科学としての法則は判ってはいたけれど、眼でソレを見るのは初めてのコトだった。
 その映像を見た当時の多くは、人がいないのにどうしてカメラが移動撮影出来たのだと訝しみもした。
 カメラはこの地球からの遠隔操作で可動していたというコトが承知された時、月と地球間の距離がグギュンと短くなった・・

「宇宙開発」というコトバがある。
 我が国で申せば、「宇宙開発事業団」という巨大な法人が、失敗続きながらもアレコレと画策しつつある。
 この「開発」という一語が、どこかバブリーな土建屋的な匂いがして、好きではない。
 行け行けドンドンで河を埋め海を埋め、そこいらの小さな小川をコンクリにしてしまい、山を崩し、干潟までも潰して無数大量の生物を死滅させた、その悪しき流れを、今度は宇宙へと持ってくようで、「開発」の一語がどうも好きでない。
 宇宙に出て行くコトは歓迎だ。
 人間って何だ?
 地球って何だ?
 天体って何だ?
 好奇心が刺激されるコトこの上もない。
 宇宙へ出ていくための技術の琢磨と発明が多くの貢献を導くコトも判っているし、先端のその技術が細分化されてアレコレに応用されるコトも判っているからだ。
 でも、それを土建的な意味あいでの「開発」という語で表わしたくはないと、思うのだな。
「開」いて「発展」させるのでなく、「開」いて「発見」であればと願うのだが。
デザインが非常に優れた切手
 武田真和君が切手を送ってくれた。
 武田君というのは、このTVC-15のサイトで"スピナー読本・増補版"を連載している武田君だ。
 切手というのは「宇宙」切手だ。
 ストックホルダーに入れられた複数枚の切手は、ソ連、チェコ、ブルガリア、カメルーン、モンゴル・・ 発行時には共産圏であった国のものが多い。
 外貨を得る一つの手段であったのだろうが、いずれも、図柄が楽しくてヨイ。
 この複数の切手を武田君がいつ集めたのかは知らないが、たぶん、はるか昔の、彼が中学生か高校生の頃ではないかなとオボロに予想している。
 この種の趣味のモノは、それを収める容器を見れば、それを集めた人の輪郭が少し判るのだけど、この場合、茶色のストックホルダーをシゲシゲ眺めるに、キチリと国別に収集品を分けて収納した上に、ホルダー最上段に小さな文字で国名を記入していらっしゃる。
 宇宙切手の枚数は70枚に足りないのだけど、その少量をキチリと分類整理させている点、今の、私が知る武田真和をそのまま見るようで、ちょっとオモチロイ。
 極めて几帳面。
 極めて誠実。
 モノが人を物語るワケだ。
 その武田君・・ 今頃、どうしているだろう?
 横になってるか、起きてるか、斜めに顔を傾げているか・・ ともあれ、地球の引力圏内にいる限り、耳たぶはきっと下を向いているには違いない。
MAGYARはどこの国だろう?
図柄はベルヌの「月世界旅行」だ。
これもソ連の切手。
スターウォーズのデススターはこの切手がオリジナルかな?
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