曇りなき眼
 " 曇りなき眼(まなこ)で見定め、決める "

 云わずとしれた「もののけ姫」のアシタカのセリフですね、これは。
 烏帽子(えぼし)の問いにアシタカが応えるシーンで登場のセリフです。
 対して烏帽子御前は、哄笑でもって報います・・・・・

 曇りなき眼で見定める。
 云うは易し・・
 至難であります。
 難儀であります。
 人、モノ、とりわけ・・ ヒト。
 眺め、評価し、判断する難しさ。
 アレやコレやがあり、新しい対象が生じてソレに熱中したものの、その時は、そう見えたのだが・・ という局面がきっと訪れます。
 女のコトであれ、男のコトであれ。
 仕事であれ、恋であれ。

 曇りなき眼を持とうとすれば、おのずと、我が眼を透明にせねばなりますまい。
 対象を無垢に見詰めねばならない・・
 けれど、それは、いつも、出来ない相談です。
 なぜなら、知らされているコトがあまりに少なく、判別を下す手立ての材料に乏しいのだから。

 仕事であれ、恋であれ、アレであれ、コレであっても。

 幾度も失敗を繰り返し、多少に、アドバイスめいたコトがいえるとするならば・・ こう云うことになります。
 心の底にあるわだかまりを信じなさい。
 小さな不穏を信じなさい。
 ちょっと気になるけど、彼を信じたい・・
 多少、気になるけど、彼女を信じたい・・
 と、そのように希望に委ねるのではなく、あなたの心の奥底の、小さな不穏を、信じなさい。
 暗い、あるいは、暗いと思われる心の中の影を見詰めなさい。
 それが、たいがいは、的中します。
 災禍の種はそこにあります・・・

 最初から完璧などありえようもないのですから、さりとて、影があるといって、回避しよう、あるいは、逃げようとする必要はありません。
 その小さな不穏の種を、発芽する前に、つとめて努力して削除して行けば、問題は遠退いていくとも思われます。

 抽象めいて判りにくいですか?

 仕事であれ、恋であれ、人と交わるというコトですよね、これは。
 その時、事態が進展するさなかに、貴方の心の底にフッと沸く何かがあるなら、それがノチに、決まって、災いとなる、と申しているのです。
 それは、たぶん、その時には小さな小さな砕片でしかないでしょうが、小は、やがて、大になるんです。
 まぁイイカ・・ で済まさないで、その小さな小さな暗い塊を凝視なさい。
 アトで泣くコトになるか、それとも、笑顔でもってノチに抱き合えるか・・・ 話し合うコトが重要です。相手に、そのわだかまりのコトを話しなさい。
 その話し合いはやや辛いですが、そこを踏破しない限り、災禍はやがてやって来ます。
 ただ、眼で追うのではなく、どうか、声に出して、疑念の芽をつみなさい。
 
曇りなき眼(まなこ)で見定め、決める、というのは、まぁ、そういうコトです。
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