i-Drive
〜その2〜
 i-drive・・
 時流にのって名付けられたと言われてもシャ〜ないネーミングながら、正しくは定冠詞の"THE"が頭につく。
 "The i-drive"
 だから、名詞としてこのi-driveは確立してまっせ、という次第。
 フレームの最重要ポイントたるクランクの受けの部分に独自性がある。
 そこを基点としたパワーシステム、これを称して
i-driveという。
 isolated drive。独立したドライブトレインというコトらしい。
 サスペンションが組み込まれた自転車の場合、そのサスが可動するたび、クランク側ギアと後部ギア部分では不協が生じる。
 こぎ手にとって、それが「ペダルの抜け」であったり「ペダルのキックバック」であったりするし、時にコレがギアチェンジのトラブルともなる・・。
 普通、自転車のクランクの根元はガッチリと溶接されたフレームの中にあり、ギアを含む駆動部分は、いわば、フレームとの共存共生にある。
 i-driveの位置付けはこの共生関係の見直しにあった。
 クランクの収納部分、i-driveはここが可動する。
 クランクがフレームからは切り離されたカタチとなっているワケだ。
 可動させるコトでショックをフレーム側に吸収させ、ペダル回転のロスを減少させ・・ 前ギアと後ろギアは、たえず、フレームからは独立した駆動システムとして成り立つ・・

 マ、そういうコトであるらしい。

 これがイイのかどうかは私には判らない。
 乗って、その恩恵を熱く感じるというにはまだ至らない。
 なぜならばつい数週前まではママチャリこと御婦人用軽快自転車に乗って日々をうっちゃってたワケゆえ、それとの比較においては、これはもうエライ差があるというコトは天と地ほど劇的に判っちゃったのだけど、いざ、このi-driveと同じクラスなマウンテンバイクとの比較というと・・ 相応なモノにまたがったコトのない身ゆえ、さっぱり判らない (o^_^o)

 ちなみに、このGT社製品に興味を抱いたのは、このメーカーがいわばガレージメーカーとしてスタートしたという一点にあった。
 自分の息子が出場する自転車の草レースのために ゲーリー・ターナーという男が、息子用のBMX用途なフレームを自宅のガレージにて溶接して作ったのがスタートだ。
 これが1973年。
 ベトナムの泥沼に辟易した多くの米国人がこの時期にドロップアウト的に何事かに気分を集中させてったというのが今から顧みた図式ではあるけれど・・ 澱んだ時代から次なるステップが生じたという過程に、私は小さな興味をおぼえてる。 それが例えば今のアップル・コンピュータであったり、このGT社であったりするという按配で、株式会社としてのGT社は1979年からだ。
 ゲーリー・ターナーの頭文字は既に当時の米国の自転車野郎にとってはビッグな名前であったらしい。だから社名もそのままに。
  評判をよび、注文がきて、バックオーダーを抱えるホドになってガレージじゃもう間に合わない、会社にしなきゃ、という構図はアップル社と一緒である。
 96年のアトランタオリンピックの自転車競技ではついに米国チームのプロジェクト推進の中心にまでなったという経緯も、何だか魅力をおぼえさせられる・・
 アップル同様とても若い会社で、しかも、いわゆる気分としての"Think Different"な感触が直感されたワケで・・ で、思わずも"アイドライブ"を買っちゃったって次第なのだ  (~_~;)
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 こぐ。
 すすむ。
 こぐ。
 すすむ。

 言うなれば自転車というのは"こいで"ナンボか進むという、人のパワー抜きには何も語れない代物なれど、あら不思議や、御婦人用軽快自転車にはまったくなかった"楽しさ"がコレにはある。

 私専用というコトがまず楽しい。
 サドルの高さ。サドルの前後位置。ハンドルの高さ。ハンドルの向き。ブレーキグリップの位置調整。ブレーキパッドの調整。前後サスペンションの調整。ギアの調整。そしてi-driveそのものの調整・・・
 毎日、夕刻いそいそと私は汗を噴き出しつつ、Tさんの元へ駈けては、微細な報告をする。
「ちょと右手首に負担があるような」
 とか、
「トップギアに入れると音がちょっとする」
 とか、
「フロント側が柔らか過ぎて沈みがち・・」
 とか。
 それを聞いてTさんが上記のような調整を行なうのである。
 ちょっくら5〜600メートル乗ったでは判らない小さな障害を一つ一つラッキョウの皮をむくようにして剥いでいったワケなのだが、ムロン、ラッキョウはむけどムケドも皮しかないので終いには何もなくなっちゃうけど自転車の場合はそうでない。
 日々、良くなってった。
 日々、快適と快感が向上した。
 いや、それにしても、このTという自転車屋をチョイスしたのは大成功。
 数週前、この方は知友の結婚披露宴にここ岡山から大阪へ、ヒョイと自転車で出かけちゃった・・ 一代決心とかではなくヒョイとで、ある。
「チャリ」という俗称をテッテ的に嫌う根っからのサイクリストT氏に任せるコトで、おかげさま、私のバイカー熱はいっそう向上する。
 なるほど、「チャリ」は随分と自転車というモノを軽んじてると思われる・・
 ともあれ、出発点から目的点までただ行って帰るが昨日だったけど、今はこの自転車に乗るコトが楽しくてイケナイ。
 行って帰るに加え、毎日、そこいらの路地、通ったコトのない地道に踏み込んでは、オヤ、こんな道なのか、アレ、この道はココにつながるのか・・ 小さな発見に小さな少年のように嬉々としちゃってたりする。
 車もモーターバイクもなるほど意志あってのコトなれど、自転車は意志と脚力が直結してるからオモシロイ。エンジンは我が足にありというコトで一体感が他の乗物と較べようがないホドに大きい。

 サスペンションの恩恵が楽しさを増加させてもいるようだ。
 就実高校(岡山市内にある女子校さ)前の歩道は真新しく綺麗な舗装路に見えるけど、自転車で駆けると、これがマ〜ルデ配慮に欠けた欠陥歩道というコトが判る。
 歩道と一般道の境が急峻で、のっそりと婦人用自転車をこいですら、カゴの中身が飛び上がる。
ガツンという衝撃でホントに飛び上がる。
 丸く巧妙に作られエッジがないので、いっけん、自転車でも走りよいと思わさせられるのだが、そうでない。車椅子だと、これをまたぐにかなりの労力を強いられるか、あるいは介助なくしてはダメなんじゃなかろうか・・。
 この繊細さが欠けた、見た目に優しいが実はまったくそうでないという段差も、i-Driveと前後のサスペンションは衝撃を吸収してマコトに見事なもんだ。
 ガツンでもゴツンでもコツンでもなく、ちょっとフニャリとしたなって感じでこのアホな段差をクリアしてくれるから、日々朝と夕、通過のたびに不快を覚えていた私をして、ちょっと眼をみはらさせられた。
 日常の中の不快の1つがなくなった点は、こりゃデカイ。

 自転車という概念には定番がない。
 例えば、Tさんは、自転車のディスクブレーキというのを嫌う。
 否定的である。
 美しくない、そうである。
 あるいは米国のMTBメーカーのリッチーは、リアのサスペンションはまったく不用との見解で製品を製造し続けている。
 その意味ではMTBにカゴがついててもイイじゃんか・・ なんて思ったりもする私なのだ。
 通勤という用途に限っていえば、 実際、カゴは重宝する・・・。
 が、なるほど、それはいささかカッチョ悪いぜという気分も、いざこうしてMTBに乗っかると確かにある。
 一石二鳥という次第にいかない。
 日常をこのi-Driveに持ち込もうとするから無理が生じるワケで、『コレはコレ、ソレはソレ』という見識を持てば、自ず・・ より実用的かつ軽快なi-Driveがごとき機能兼ね備えなモノを、もう1台、摸索してもイイのでないかと・・ 思ったりもする。
 往路たかが12Km。
 それを日々クリアするために自動車を買うコトを思えば、自転車2台・・ 随分と安く随分と豪華な買い物かも。

 と、ここまで書いた頃に知友よりメールが届いた。
 前回のを読んで御意見をば綴ったものだけど、
『カゴはそれ用にもう一台買ってあげたらどないだす?』
 と書いてある。
 やはり同じような感触を持ったかとニタリ笑ったのだけど、この知友は東京在住のモーターバイク乗りだ。
 こう書いてある。

 実は私には大学以来の長年の野望がありまして、私の場合はバイクですが、全部で5台所有したいんですよ、いつかは。マジで。
 1台目はバリバリのロードマシンでカッ飛び専用。
 2台目は大排気量のスクーターで、収納スペース重視+これでもかとカゴやカバンを付けまくった輸送専用。
 3台目は華奢だけどどこにでも入っていけるオフロードマシン。
 4台目は車にも積める収納式の小型バイク。(モトコンポみたいなヤツ)
 5台目は対ねずみ取り用レーダーやらナビゲーションシステム、通信装備満載の大型アメリカンバイク。(ほとんど白バイ)
 これだけあれば、いついかなる局面にでも対応できるハズです。
 色はそれぞれ
青銀
 当然ガレージが必要になりますが、一見してガレージに見えないようなのが良いですね。
 どっかの島ではちょっと困りますが。
 (四輪は嫌いなので、桃色のロールスロイスはボツ


 サンダーバードの類似色揃えは半ばの冗談であろうけど、5台を持ちたいとの希望はハタと手をうつほど良〜く判る。
 1から5までの内容も、オモチロイ。
 この場合、遊びを中央に、遊びを基点として日常をこなす仕様としての5台という感じがあって、知友の魂の奥底にゃ、な〜るほど、遊びたい盛りの熱狂な炎が隠されてたんやね、嗚呼そうかソレで仕事遅いんだ・・ (^.^) なんて北叟笑んだりもしちゃったのだけど・・
 そうか! 5台かァ・・
 自転車2台所有な夢より3台も多いやないけ。
 負けた。
 2.5倍、負けた。
 夢のデカサに負けた・・ なんてアホ言ってもシャ〜ないけど、我が自転車の場合、『いついかなる場所にでも対応』しなくともいいワケなので、5台揃えるにゃ理屈が足りないなぁ。
 ぁああ、それでも・・ ピカピカに磨かれた綺麗な自転車5台がガレージにある光景って、イイなぁ。よろしいなぁ。カッコいいなぁ・・ 理屈は後からついてくるからなぁ。
 じゃ、いっそ7台揃えて、日替わりで乗るってのはどうだろ。
 その昔、「華麗なるギャッツビー」っていう映画でR・レッドフォード演じる主人公の部屋に出向いたヒロインのミア・ファローが、彼のタンスを開けると、高額な綺麗なシャツ(Yシャツだ)がもうこれでもかっていうくらいに並んでて、思わずながらウルウル眼を潤ませるっていうシーンがあったな。
 大きな夢描くなら、いっそ・・ 365台揃えて、ギャッツビーのYシャツがごとく1年毎日日替わりって手もあるけど、どこに置くんだ365台・・・

 さてさて、現実に戻って話をば進めると・・ やはりね、スタンドなしの自転車って不便ね。
 通勤で使うという目的にスタンドはやはり必要だと思わさせられる局面が多いわね・・。
 でも、カゴ同様、このGTのi-driveにスタンドは似合わないし。
 やはり、そうね・・・ 4段変速くらいでサスペンションもありでカゴがあってスタンドもOKな自転車、欲しいな。

 ま、ともあれ、自転車は楽しくってあなどれないワ。
 道路事情と一部な車(とくにオバサン)の無謀さにゃ閉口するけどさ。
 道路に関しては・・ 岡山市のメインの橋たる新鶴見橋が、なさけないんだ。
 なるほど橋上にゃ歩道があるんだけども、東側、橋の登り口にゃ歩道なんかないの。
 どういう原理でこのような不埒でアホで間抜けな道を作るのか、いっぺん、担当者に聞いてみたいワ。
 ホテル・プラザ岡山から新鶴見橋に向けて自転車で走ってみりゃ、そこだけ、いきおい、車の路線だから危ね〜のなんのってコトがよ〜〜く判る。
 東京の神田界隈やら秋葉原界隈でタクシーに乗ってると、必ず、自転車で宅急便を運ぶカッチョいい連中に遭遇して、そのアッパレな駆けっぷりに感心させられるし、彼らを思うに、たかが数10メートルの橋への道の不満なんか、仔細些細微小なんかもしれんけど・・  ストレスが生じるんだよね、そこじゃ毎日。
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フレーム中央の青い袋状のモノは・・ カッパです。アマガッパ (^0^)
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