6ケのスピーカー
〜その2〜
 さて。
 新しいAVアンプと6本4種のスピーカー・システム・・・。
 一番最初に、どのLDなりDVDのソフトで試すのがヨロシイかと少し悩んだ。
 どれでもイイじゃん、という次第にはイカン。
 こんなコトで悩むのが、オトコなのだ・・・・。

 まずは映画だな。

 ユー・ガット・メールじゃね〜な・・
 雨上がる、って感じじゃないな・・
 プライベート・ライアンは、ァ、いけね、友達に貸してら。
 2001年宇宙の旅は、あんまり音が移動しないだろし・・
 マトリックスは、うん、いけてるかも・・
 スターウォーズはどうやろ?
 サンダーバードか?
 シックス・センスか?
 キューブか?
 エクソシストのディレクターカットはどや?
 五条霊戦記、ってなモノもあるぞ・・ こいつはdtsのサウンドが入ってる。
 いや待て・・ R・ストーンズのライブDVDがあるぞ。

 こうやって、たかがしれた小さな事を宇宙最大の悩みの次元にまで拡大して思案してる内にタバコ一本吸っちゃうのが、オトコって〜もんだ。
 で、2本目のタバコに火をつけながら、こう決めたんだ。
 最初にDVDで「U-517」を見て、聞いて、途中で、LDの「U-ボート」を見て、聞いて、この両者にて音の差異を検分しようと。
 海中に放り込まれた爆雷の音響効果が、どのような広がりと奥行きを持つのかを、コレで体感し検証しようという魂胆だ・・・。

 よし。
 決めた。
 やるぞ。

 映画の音を、「デザイン」にまで昇華させた最初の映画は「地獄の黙示録」であるらしい。
 むろん、それまでも多々、音声に関しては創意工夫は無数なされてきたろうが、コッポラのこの高名な戦争映画ではじめて、ドルビーの3種4箇所(その頃はプロロジックだった)の音場というものを意識したモノが作られた、ようである。
 だから、思い返すまでもなく、コッポラのこの作品を正しく批評してあげるには、左右のスピーカーだけで音を聴くのではなく、やはり、3種4箇所のドルビー再生でもって初めて、批評に値する土俵にあがれるという次第なのではなかろうか。ありがたいコトにこたびはそれを4種6箇所のスピーカーで聴いちゃう次第・・。

 てなワケで、アンプのスイッチ・オン。
 が・・・
 が・・・
 設定、しなくちゃイカンのだ。
 設定しないコトには音は出ないのだ。
 今時のアンプって、みんなこうなのか?
 視聴位置とセンタースピーカーの距離、フロント左右からの距離、背後左右のスピーカーの距離、都合5箇所をセンチ単位で入力せねばアカンのだ。
 さらには、各スピーカーが80デシベル以上の入力に対応しているかどうか・・ もし、そうでないならア〜せいコ〜せい、各種モロモロを取り決めねばならんのだ。
 コードの配線でメタンコにナンギしたというのに、いざ、聴こうとするとコレだぁ。
 入力はリモコンだ。
 小さなボタンがその小さな盤上にテンコモリ。

 こういうのを嬉々とやれる人は幸いだが、いかんせん、私の場合、こういうのはニガテなのである。
 面倒でオックウでヤッカイでナンギで、おまけにタイギで、さらには、気力もないの。
 聴きたい願望と欲求は募ってはいても、小さなリモコンでセコセコとセッテイングするなんてのは、キライなんだ。 リモコンを見てるだけでウンザリだ・・ 
 おまけに、リモコン操作が反映されるアンプの液晶面ってのが、英語表記だ。しかも、簡便しごくな省略でもって書かれている・・
 たとえば、S.WOOFER YES
 たとえば、SW MODE NORM
 なんやねん、それは?
 これはもう英語でもない。
 結局、取り扱い説明書をかなり読み込まないと、意味1つ、わからんのだ。
 キライなんていってる場合ではないんだけど、こちとら、そんな七面倒くさい作業はよっぽど気分がハイな時でなきゃ、出来ない性分なんだ。江戸っ子じゃねぇけどチマチマしたこたぁ嫌れェなんだ。

 だから、マ、そんなワケでその日、アンプからの音出しは断念した・・。
 こんなシンキくさいコトやってられっか、ってな感じで、柔道家の友を呼び出し、焼肉食いにウチから飛びだした。
 1980円で「喰い放題」な焼き肉店が近隣にあり、最近、私はよくここを利用しているんだ。
ここでは焼肉はおろか、寿司もソフトクリームもカレーも味噌汁も、一切食い放題だ・・ だから、利用する。オナカがカエルの王様のようになるまで、喰うんだ。
 だが、おかしなもんで、カルビだのレバーだのうまい肉ジュ〜ジュ〜焼いてはビールで流し込んでる間にも、アタマのどっかでアンプが鎮座して不動なんだ。
 クケケッ、設定も出来んのかァ、って笑ってるような感じなのである。
 塩タンをレタスでくるんでパクついてる合間にも、アンプがどうやらアザ笑っていると思われて、なんか・・ しゃくなのだ。

 なワケで・・ 喰いに喰い、飲みに飲んでカエルの大王と化して帰るや、酔いの勢いでもってガバリとリモコン握りしめ、プチプチプチポツポツ・・ 弩弓なホドに面倒なセッティングに挑戦したのである。
 そうか、酒の勢いなくしてはコリャ出来へん作業なんだわ。
 とはいえ、出来たのは基本としての設定だけであるけれど。

     
 
本項つづく
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