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| 知っているようで知らない事は無数にある。日常に多用するアレも知らなければコレも知らないといった事どもが無数にある。 例えば諸君は、云々、多々、再々、浩々・・ などなどで使う"々"の、これの読み方を知っているか? おそらく十中八九はご存知あるまい。 この一語を、例えば手書き認識が出来るコンピュータ上でマウスを動かし、つたない字として記したさい、まことに単純っぽい文字でありながら該当するモノがない、という一事に気づかされて、アッと、多くの人は驚くに違いない。 そこで諸君はあわてて、広辞苑だか大辞林のページをさき、該当する箇所を捜そうとする。 読みが不明なので、ムロン、広辞苑のどこを探っていいか判らない。 漢字一覧を開き、画数で捜そうと、三画か二画あたりを順追って、聡明なる諸君は調べるに違いない。 が、ここでまた唖然とさせられるのだ。 やはり・・ 該当がない事に。 それで諸君諸氏は、これはヒョットして自分だけが知らない事で多くの人にとってはただの常識中の常識と思って、つい口を閉ざし、誰にも聞けず、誰にも話せずで、とうとう死ぬまで謎を謎として抱えたままに放置する・・ ってな按配になるのではなかろうか。 さてと、上記は、諸君に話をふって記述した次第ながら、実は、私自身に生じた話なのである。 恥ずかしながら、"々"の、読みを私は知らなかったのだ。 話の本筋が前後するけれど、先夜の事、それも遅い時間、某BARのマミ〜より、 「実は教えて欲しい事があるの・・」 この前置きでもって、"々"の読みを問われたのである。 彼女はながい間、これを何と読むのか判らず、辞書を紐解こうにも手がかりがなく、さりとて今さら誰にも聞けないし・・ しかし、まぁ、この男(わたしだぞ)になら聞いても恥にはならんだろ〜な感じで、ミッドナイトの酔いにまかせて問うたようなのだ。 問われはしたが、哀しいかな、即答出来なかった。 で、上記のような次第となったワケ・・。 半ばの普遍なモノとして私は文章上において"々"を使ってきた次第ながらも、この一語に関しての根の部分も葉の部分をも何ぁ〜んにも知らなかったという事は、痛痒をおぼえるような、ちょっとした衝撃だった。 冗談としてでなく、"々"は、多々使ってきた。 漢字の一つとして、そう認識してなが〜く使ってきた。 が、これは漢字ではなかったんだ。 漢字でない以上、音読みも訓読みもない。 広義の意味では"特殊文字"という扱いながら、狭義ではこれは記号なのだった。 繰り返すが、漢字ではないのだ。 記号である。 この記号には、ムロン、名がある。 "+"と書いてプラス、"−"と書いてマイナスという語があてられているように、これは"おどりじ"というのだ。 漢字で書くと"踊り字"と綴る。 同じ文字や文字連続を繰り返して書くときに使う符号(記号)なのである。 嘘だと思うなら、手近の辞書で"踊り字"をひいてごらんよ。 自分の中にあっては漢字と思い決めていたモノが漢字じゃなかったという事実と、その真相を知らないままにうっちゃっていた自分という者の距離の深淵を思うと・・ ったく・・ この世は面白いネ〜、てな感慨が湯のようにわいてくる。 だから某BARのマミ〜が発した質問は、彼女が恥ずかしがる必然のない、すこぶる良質で良性なものであったと云わざるをえない。 おそらく、この"々"の一件のみならず、アレもコレもソレもと、謎と真相が多々数多身近にあるに違いない。 そう思うと余計、すべからず、この世は未知に充ち満ちていて、とっても、面白い。 と、まぁ、そのような次第なのだ、今回は。 |
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